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​なぜ、出版をするのか

現代は、グローバル化、人工知能(AI)やIOT(インターネット・オブ・シングス)、量子コンピューターの登場などの新たな技術革命、また、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み、そして一昨年から続く新型コロナウィルスの影響により、生活や働き方、社会との関わり方が根本から変わる大変革の時代に入っている。

この大変革の波は、企業経営にも大きな影響を与えており、企業という船の舵をとる経営者は、羅針盤を見失っているように見える。市場に溢れる経営に関わるあらゆる情報に振り回されることで、目先のマネジメントになり、自社の経営を大局的に見極めることが、難しくなっている。

日本においては、2019年の帝国データバンクの調査では、創業100年以上の企業数は

33,000社以上で世界1位、世界の創業100年以上の中でも40%以上を占めるなど長寿企業が多い国である。その要因の中で、重要なものとして、八百万の神に代表されるように、自然信仰がベースとなり、従来の伝統を守りながら、他者を受け入れ、融合させながら時代の変化に適応してきた歴史的背景が挙げられる。社会構造の変化、大きな技術の革新、また、自然災害や疫病など、様々な外部環境の変化で、突然、企業存続の道を絶たれてしまう事象が多々あった中で、堅実な経営を続けてきた背景には、自然の流れに抗わない経営におけるあり方がそこにはあるのではないかと考察をしている。

そこで、日本をはじめ、東洋人には3000年もの昔から、自然界の摂理から学んだ知恵を人間界に生かそうとしてきた「自然哲学」から、大局的に企業の経営を見直すことも意義深いものになるのではと考えている。本書では、この東洋的自然観を基に、人間集団であり、社会の基盤ともなる会社組織の永続的な成長発展を可能とするマネジメント体系を「自然哲学経営」と定義し、その具体的な展開方法を示すことで、時代変化の波を乗り切る経営を実現していただくことを目的としている。

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